さあ冒険のはじまりだ
沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれる地域では、西海岸を通る国道58号線と東海岸を通る国道331号線および県道70号線が主なルートとして知られていますが、実は中央の山岳地帯を南北に縦断する道があるのをご存知でしょうか。
その名は、国頭村字与那から安田に向かう県道2号線を起点として、大宜味村字大保まで続く「広域基幹林道大国線」、通称「大国林道(おおくにりんどう)」。
1977年(昭和52年)着工、1993年(平成5年)開通。
およそ16年の歳月と総工費45億9千万円をかけて完成した全長35.5kmの林道は、沖縄独特の動植物と出会えるワイルドロードなのです。
運転は必ずスローペースで
今回は国頭村与那にある起点から林道を南下するルートでドライブを楽しむことにしましょう。
この起点に至る道すがらにも多くの注意喚起看板があるので気がつくと思いますが、ここは国の天然記念物であり絶滅が危惧されているヤンバルクイナの生息地域。
毎年発生するロードキルが深刻な問題になっています。
運転はとにかくゆっくりゆっくり、スローペースでいきましょう。
いきなり電波微弱地帯に突入
大国林道の起点に立てば、はいもう出ましたいきなりのジャングル感。
鬱蒼としたやんばるの森がぽっかりと口を開けています。
地図でいうとこのあたり(中央の青い印)。
ちなみに濃いグレーで示された部分は米軍基地です。
沖縄ではNo.1の電波強者とされるauの電波網を使っているUQmobileで検証したのですが、さっそくの電波状況悪化。4G電波レベル1です。
設計速度は30km/時。
ヤンバルクイナなどの野生生物に加え、ルート上には急坂も多いのでスピードの出しすぎには注意です。
またガソリンの残量にも注意しましょう。
電波の通じない、すれ違う車も少ない山道でガス欠なんて洒落になりません。少なくとも半分ぐらいは入れておきたいものです。
沖縄独自の植生に癒やされる
月桃と同じショウガ科のアオノクマタケラン(青野熊竹蘭)。
海の近くに生える通常の月桃に対し、やんばるでは古くから「山の月桃」と呼ばれ親しまれてきました。
森の妖精が傘がわりにさしていそうなハート型がかわいいクワズイモの葉っぱ。
たまにはこんなふうにアリ目線で下から見上げてみるのもまた乙なものです。
起点から約5km地点で圏外に突入
やんばる独特の植物を楽しみつつゆっくり運転することおよそ20分。ついに圏外地帯に突入です。
起点からはおよそ5kmほど。
電波が入るか入らないかの状況なので正確ではありませんが、地図でいうとだいたいこのあたり。
右上のハートマークが起点の場所です。
ふれあい広場でひと休憩
たまにすれ違いのための退避場所があるものの車一台通るのがやっとの道幅を進むことおよそ40分。
「広域基幹林道 大国線 ふれあい広場」と書かれた看板がある広場にたどり着きました。
ゆっくり運転なので思った以上に長時間運転しているような気分になります。
電波状況は5km地点からほぼ圏外のまま。
鬱陶しい着信音に邪魔されることなくやんばるの大自然にがっつり癒やされることができました。
「大動脈」という力強い文字が刻まれた開通記念碑を眺めつつひと休憩。
ちなみに林道内には自動販売機なども無いのであらかじめ水分も持っていきましょう。
このあたりは開けた場所なので微弱ながら電波が入っていました。
この日は時折濃霧に包まれたり豪雨に見舞われたりするあいにくの悪天候。起点から南下して大国線から伊地線に差し掛かる地点で通行止めになっていました。
大国林道の全行程を縦断するには2時間ほどかかるので、縦断ドライブを楽しむ場合は念のため時間とガソリン残量、水分に余裕を持っていくことをおすすめます。
伊地線には何箇所か湧き水スポットもあるので、さらなるマイナスイオンに癒やされることでしょう。
そして雨が降っていてはドライブ的にはいまいちですが、実はヤンバルクイナとの遭遇率はアップ!
普段日差しの強い日中は草の陰に隠れているヤンバルクイナも道路にひょこひょこと出てきてくれることが多いのです。
沖縄に住んでいてもなかなか見られないヤンバルクイナ。出会えたらラッキーですね。
大国林道(広域基幹林道大国線)スポット詳細
滞在時間:1時間
沖縄を知る:★★★☆☆
マイナスイオン:★★★★★
圏外度:★★★★☆
大国林道
起点:国頭村字与那
終点:大宜味村字大保
延長:35.5キロメートル
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