団体旅行・社員旅行に申し込むときに気をつけなくてはいけないのが、いざというときの「キャンセル料」のこと。
団体旅行のキャンセル料は個人の時よりも金額も大きくなってくるので幹事さんはもちろん、旅行会社との契約内容を参加者全員がしっかり把握しておきたいものです。
団体旅行で1人1人だけキャンセルする場合や、天候などで旅行が中止になってしまった場合など、キャンセル料の様々なケースについて調べてみました。
■もくじ
団体旅行・社員旅行のキャンセル料はいつから、いくら発生する?
キャンセル料は、あなたが「どのタイプの旅行を予約したのか」で異なります。
旅行会社で契約する旅行の種類は3つのタイプに分かれますので、確認してください!
- 募集型企画旅行:旅行会社が企画したツアーに参加する(パッケージツアーなど)
- 受注型企画旅行:行き先や宿などの希望を聞いて旅行会社が企画したプランで行く(オーダーメイドプラン)
- 手配旅行:航空券やホテルなど旅行のパーツだけを買う(手配代行を頼む)
パッケージツアーなどの募集型旅行でのキャンセル料は、観光庁及び消費者庁が定めた規定(標準旅行業約款)を基準に設定されています。
こちらを基準に旅行会社ではそれぞれ自社の条件書を作成し、旅行者と契約を結びます。
パッケージツアーで団体旅行に行く場合のキャンセル料
旅行会社のパンフレットやサイトに載っているツアーに参加する方はこれにあたります。
観光庁及び消費者庁が定めた規定(標準旅行業約款)通りだと、団体旅行のキャンセル料は下記のとおりです(国内旅行の場合)。
- 旅行開始日の20日前から:旅行代金の20%
- 7日前から:30%
- 前日:40%
- 当日:50%
- 旅行開始後:100%
団体旅行の参加人数が減った場合にも、こちらのキャンセル料金が適用されます。
1人だけキャンセルなどの場合は、基本的にキャンセルした人が自分の旅行代金の20~100%(上記のとおり)を負担することになります。
ただし、大幅な人数減少はホテルや交通機関の「団体人数」を下回ってしまうこともあります。もともと団体で予約した分安い旅行代金だったものが、料金があがってしまう可能性も。
またパッケージツアーは、大人数での申し込みに対し、「空き」がないことも。まとまった人数では利用できないことが多いので注意が必要です。
その場合、キャンセル料は規定より増額することもありえます。旅行会社で団体旅行を予約した際の、契約書をよく確認しましょう。
オーダーメイドプランで団体旅行に行く場合のキャンセル料
社員旅行や修学旅行、合宿・サークル旅行など、移動手段や観光場所、宿泊先など旅行プランをまるごと相談しながら企画してもらう方はこれにあたります。宿泊施設や交通手段を大人数分抑えなければならない団体旅行は、この「受注型企画旅行」が基本です。
旅行代金とは別に旅行会社への「企画料」が加算されてくる場合が多いのですが、企画料に関しては旅行会社と契約を結んだ時点から発生します。
キャンセル時には、パッケージツアーのキャンセル料にプラスして企画料も支払いすることになります(行かなくなっても企画料は返済されないということ)。
また、オーダーメイドでの団体旅行とはいえ、人数に応じて旅行代金が定まってくる場合が多いです(20人~30人ならば1人5万円など)。
このため、参加人数が減ってその規定の人数に満たない場合は、ツアー代金自体が若干高くなるケースも発生します。
つまり、大幅な人数減少の場合は、行かなくなった人が自分の分のキャンセル料を負担するだけではなく、プラスで料金を支払う可能性もあるということ。
パッケージツアー同様に契約書を確認することが必要です!
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旅行会社にホテルや移動のパーツだけ依頼して団体旅行に行く場合のキャンセル料
飛行機や旅館などのパーツだけ旅行会社にお願いする「手配旅行」の場合、手配にかかる手配手数料や施設へのキャンセル料を支払います。
キャンセル料は予約した交通機関や宿泊施設各社によって異なります。
天候などの都合で団体旅行に行けなくなった場合はどうなる?
台風や大雪など、天災により飛行機が欠航したり、新幹線が運休したりするなどの非常事態はどうなるのでしょう?
基本的には旅行会社が団体旅行をキャンセルする場合は、旅行者がキャンセル料を支払う必要はありません。旅行代金は全額返金されます。
状況をみて旅行者がキャンセルした場合は、キャンセル料を支払う必要があります。
飛行機のキャンセルについて
天候による飛行機のキャンセルについては、すこし複雑です。
航空会社側で飛行機の欠航が決まった場合は、原則として旅行は中止、旅行代金は全額返金になります。
飛行機の運行が決まっていない場合は、とりあえず空港まで向かいましょう。出発が決まったのに、旅行に行かないと旅行者のキャンセル扱いになってしまいます。
また、旅行者の判断で払い戻しをして、他の交通手段(電車やフェリーなど)を選んだ場合は、航空券との差額分は旅行者の負担になります。
飛行機が欠航して同じ航空会社で別の便に振り替えになる場合もあります。その際、振り替えた飛行機の航空券が増額する場合は旅行自体をキャンセルするかどうか旅行者が選択できます。
キャンセルを選択した場合は、キャンセル料はかかりませんが、振り替えて増額した差額は旅行者が負担します。
振り替えが決まった飛行機の航空券が減額する場合、その便をキャンセルした場合は旅行者がキャンセル料を負担することになります。
帰りの飛行機が欠航で、団体旅行先で宿泊を1日延長する場合は、宿泊費や旅費は基本的に旅行者の負担になります。
こういった緊急事態による、欠航や旅行中止のキャンセル規定は旅行会社から送られてくる契約書面に書いてあります。
同じ状況でも旅行会社や航空会社が異なったり、対応が違ってくる場合もありますので、旅行会社などに早めに連絡して状況を確認しましょう!
そもそも、旅行のキャンセル料はなぜ必要なの?
団体旅行の参加者にしてみると頭を悩ますキャンセル料ですが、予約を受ける宿泊施設や交通機関を守るためにはキャンセル料は欠かせないもの。急な旅行キャンセルは宿泊施設や交通機関側に損失を及ぼします。
キャンセルを見越して、ホテルや航空券などの在庫数以上の予約を受け付けるわけにはいきませんので、団体旅行に関しては独自のキャンセル条件を設けている旅行会社や宿泊施設もあります。
キャンセル時に旅行代金が戻ってくる保険がある
「急病やケガ、天候不良などで団体旅行をキャンセルしなくてはならない」といった状況、旅行を楽しみにしていた当人にとっても、企画した幹事さんにとってもショックですよね~。
最近ではやむを得ない理由で団体旅行(個人旅行も)をキャンセルした場合、支払った旅行費の全額、もしくは一部が戻ってくる旅行保険もあるんです。
ただし、病気でキャンセルした場合でも、どの程度の症状でキャンセル料が返還されるかというのは保険会社によって様々です。
こういった旅行キャンセル保険に申し込む場合は、内容をしっかり確認してから申し込むことをおすすめします。
団体旅行参加者全員にキャンセル規定をシェアしておこう
全員が行けることが一番ですが、いざといったときに困る団体旅行のキャンセル。
ここでは標準旅行業約款に従ったキャンセル料についてご紹介いたしましたが、旅行会社や旅行の条件により内容が異なる場合もございます。
まずは旅行会社からきた契約書面をしっかり確認することが大切です。
また、トラブルのもとにならないためにも、キャンセル料は幹事さんだけでなく参加者全員で共有しておくようにしましょう!
こちらで紹介した事例以外に「こういう場合はどうなるの?」という疑問があれば、旅行会社に聞いておくのがおすすめです。
団体旅行は旅行会社にお任せがベスト!
パッケージツアーだと大人数に対応できないことがほとんど。かといって、幹事さんが宿や交通手段、食事など全部の手配を個別に行うのは負担が大きすぎます。人数の増減があるたびに右往左往しないければなりません。
ある程度まとまった人数で旅をするなら、「団体旅行ナビ」から旅行会社に任せてしまうのがイチバン。Webから24時間問い合わせ可能ですので、どうぞお気軽に活用してくださいね。