山口県の観光地というとまず最初に何が思い浮かびますか?岩国市にある日本三名橋の一つ「錦帯橋」、美しい城下町として栄えた萩市、日本最大のカルスト台地「秋吉台」、フグで有名な下関市などなど。
最近ではSNS映えスポットとして「角島大橋」「元乃隅神社」なども話題になっていますね。
そして山口県の県庁所在地である山口市は、室町時代に京都の町を模した市街地として整備され、「西の京」と称される美しい都市として栄えました。
今回は山口市が誇る国宝・瑠璃光寺五重塔や十朋亭(じっぽうてい)維新館、常栄寺雪舟庭など名所・名跡が多い市内観光スポットをご紹介!
団体・グループ旅行の休憩場所としておすすめの「長州苑」が、ご当地グルメや体験プログラムを楽しめる「5 縁 cafe」を2022年9月23日(金・祝)にオープンさせる話題も合わせてお届けしましょう。
なぜ山口市が山口県の県庁所在地?歴史的背景からちょこっと解説
山口県は長州藩として幕末期に明治維新の際に活躍する人物を大勢輩出しています。有名なのが高杉晋作、桂小五郎(木戸孝允)、吉田松陰などでしょうか。
山口市は周防山地にある盆地の一つで、瀬戸内海からは約20㎞も内陸へと入り込んだ場所にあります。一見すると交通の要所からは外れているため、ちょっと辺鄙な場所と感じる方が多いのではないでしょうか。
しかし、室町中期に西国一の守護大名大内氏により、京都に良く似た町づくりを行い、日本最大級の都市が築かれた場所。その後、16世紀半ばに毛利氏の支配下に置かれますが、関ヶ原の戦いで徳川軍に敗北を喫します。
徳川幕府からは現在の山口市内での築城が許されず、強制的に萩市に長州藩の居城をつくることを命ぜられます。
その後、幕末に尊王攘夷派が実権を握った長州藩は悲願であった政治の中心を、萩から山口市に移しました。
新幹線の駅などが通らなかったために、人口があまり増えず、地味なイメージがある山口市ですが、地政学的にみて交通・軍事上の要所であったからこそ、室町時代に「西の京」として繁栄した歴史があります。
現在は美術館、博物館、図書館、教育会館などが立ち並び、官公庁や文化施設が集まる都市に。大内氏時代の文化遺産として優美な姿を見せる国宝・瑠璃光寺五重塔や明治維新策源の地・山口としての史跡も数多く残されています。
団体・グループ旅行で山口市おすすめの観光スポット
山口市でぜひ立ち寄ってほしいスポットをダイジェストにご紹介します。
大内文化を今に伝える山口市のシンボル「国宝 瑠璃光寺五重塔」
国宝 瑠璃光寺五重塔は、1399年(応永6年)に応永の乱で戦死した大内義弘氏の菩提を弔うため、弟の盛見氏が発願。1442年(嘉吉2年)に建立されたものです。場所は香山(こうざん)公園内にあります。
高さは31.2m、屋根は日本古来の伝統的手法である檜皮葺(ひわだぶき)で作られています。室町時代中期における最も秀でた建造物と評され、国宝に指定されています。
もともとこの場所には香積寺(こうしゃくじ)がありましたが、江戸時代の初めに萩に移り、その後瑠璃光寺がこの地に移ってきました。そのため、「瑠璃光寺五重塔」と呼ばれるように。
京都の醍醐寺、奈良の法隆寺の五重塔と並ぶ、日本三名塔のひとつに数えられ、親しまれています。
春は梅や桜、初夏はツツジやあじさい、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の美しさを見せる香山公園。園内には大内家筆頭家老・陶弘房の菩提寺「瑠璃光寺」の他、薩長の藩士らが密談を重ねた「枕流亭」などの史跡が多く残されています。
画僧・雪舟が築庭した「常栄寺雪舟庭」
9代大内政弘氏が室町時代に雪舟に依頼し築造した別荘といわれています。雪舟は室町時代に活躍した水墨画家・禅僧です。
雪舟は岡山県出身ですが、京都・相国寺に移り、日本の水墨画を代表する周文に薫陶を受けます。実力をつけた雪舟は画僧として中国に渡り、研鑽を積み、帰国後は周防国(現:山口)に拠点を置きました。
大内氏の元で数多くの名作を描いた雪舟。水墨画作品の最高峰とも言われる、国宝「四季山水図」(山水長巻)も、1486年に山口で完成させたものです。
常栄寺庭園「雪舟庭」は、東・西・北の三方を林に囲まれた庭で、北側に滝、中央に池を設け、枯山水、枯滝を設けた池泉回遊式庭園。雪舟の山水画そのままの名園として知られ、国の史跡及び名勝に指定されています。
江戸から明治へ時代の移り変わりを見つめた「旧山口藩庁門」
毛利敬親が幕末の1863年(文久3年)12月に一露山の麓、萩から山口へ藩庁移転を計画し、1870年(明治3年)に竣工した藩庁の正門です。
脇門付薬医門で、切妻造り、平入り、本瓦葺き。山口県の重要文化財に指定されています。
明治維新策源の地・山口の歴史を物語る「十朋亭(じっぽうてい)維新館」
醤油商いを営んだ萬代家の十朋亭(市指定有形文化財)をはじめとする土地と建物を、歴史的にも貴重な伝来資料とともに山口市が譲り受け、2018年9月に開館したミュージアム。
幕末期、長州藩主毛利敬親が、萩から山口へ藩庁を移した際、萬代家が藩の役人たちの宿泊所となり、当主が志士達の活動を援護。桂小五郎、高杉晋作、大村益次郎など、維新の志士がここを訪れています。
ミュージアムでは、幕末志士衣装の貸し出し「維新deコスプレ」を行っており、館内はもとより、大内文化の薫りが漂う大殿大路・竪小路へのお散歩もできます。幕末の志士になりきって素敵な写真を撮影してみませんか。
山陽路随一の湯量を誇る美肌の湯「湯田温泉」
湯田温泉は1日約2,000トンの湧出量を誇るアルカリ性単純泉。約800年前、足に傷を負った白狐が訪れ、1週間ですっかり治ってしまったのを見かけた権現山麓の寺の和尚が、百姓に掘らせたところ、薬師如来の像と共に温泉が沸いたという言い伝えがあります。
湯田温泉にある創業300年以上の歴史を誇る老舗旅館「松田屋ホテル」には「維新の湯」と呼ばれる浴槽があり、志士たちが入浴したことで知られています。
また、湯田温泉にある「西の雅 常盤」は名物女将のいる宿として有名。毎晩マジックや水芸、コント、ダンスなど爆笑のステージを繰り広げています。宿泊客でなくても観覧できるということで、休日には満席御礼となっています。
団体・グループ旅行でぜひ立ち寄りたい「長州苑」
山口市観光の立ち寄り先として人気の「長州苑」。国宝 瑠璃光寺五重塔から徒歩約1分のところにあり、団体食事やお土産購入スポットとして親しまれています。
2022年9月23日(金・祝)、観光バス駐車場に「5 縁 cafe」をオープン。山口市のご当地グルメや伝統工芸品である「大内人形」絵付け体験、徳地和紙折染め体験が可能な施設を誕生させます。
コロナ禍で激変する観光事情の中、地元企業とコラボすることで山口市の魅力をよりアピールできる施設やサービスを目指します。
テイクアウト中心、山口市地元食材にこだわったカフェ「5 縁 cafe」
店名は「長州苑」が瑠璃光寺五重塔の門前にあることから、五重塔を思わせる「5(Go)」と、人と人との繋がりを意味する「縁(en)」を組み合わせて付けたそうです。
こちらのおすすめ商品は「飲む外郎(ういろう)」。山口名物である“外郎”をドリンク感覚で楽しめる一品となっています。
この他、湯田温泉にあるコーヒー豆の焙煎屋さん「Nishida Coffee」とコラボし、香山公園散策をイメージした特別焙煎豆を使用した長州苑オリジナルコーヒー「大内栄華ブレンド」「毛利維新ブレンド」の2種類を提供。
個性の違いを楽しんでいただけます。
また、安心安全な食べ物作りのパイオニアとして挑戦し続けてきた山口市「秋川牧園」の牛乳を使用した絶品ソフトクリームも販売。山口市の食の豊かさを感じていただけるメニューを提供します。
山口市伝統工芸の魅力を体感できる「大内人形絵付け」「徳地和紙折染め体験」
「大内人形」は山口市の伝統工芸品で、大内氏第9代当主・弘世(ひろよ)が京都から迎えた花嫁のために京から多くの人形師を呼び寄せ、屋敷を人形で飾ったという話にちなんでつくられたそうです。
丸顔で切れ長の目におちょぼ口の男女一対の人形からなる「大内人形」は、夫婦円満の象徴といわれますが、おめでたい時やお祝いの贈り物としてもおすすめ。
体験では殿・姫のセットもしくは、いずれか1体のみでも絵付け体験できます。
徳地和紙は、鎌倉時代から800年以上の歴史を持つ山口市の無形文化財。山口市の中心部から車で約30分ほどの場所にある徳地地区で採れた良質の木材で作られてきた和紙です。
通常のパルプとは異なる色の広がりが特徴的。好みの絵柄に和紙を染めてインテリアとして楽しめるタペストリーをつくる体験ができます。
いずれの体験も個人向け・事前に要予約となりますが、現地で自由行動の場合、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
ご当地グルメを楽しめるレストラン「香山」
長州苑のレストラン「香山」では山口のご当地グルメが楽しめると大好評。
「瓦そば」は、熱した瓦の上にそばを乗せその上に玉子やお肉を乗せた山口県のソウルフード。ぱりぱりになったそばをもみじおろしやレモンと一緒におつゆにひたしていただきます。
レストランでは瓦そばの他、岩国氏名物「岩国寿司」やふぐのタタキなど、名物をセットにしたメニューを提供。もちろん、瓦そばのみもあります。
団体旅行や修学旅行、社員旅行など大勢での利用も可能。人数や予算に合わせてメニューなども対応してくれるそうなので、旅行会社を通じて調整してもらいましょう。
山口の名産品を扱う「西の京やまぐち物産館 長州苑」
一般的な外郎は、米粉や小麦粉などに砂糖・温水を混ぜて練り上げ、蒸して作る上生菓子です。誕生は室町時代といわれ、発祥は博多・京都という説があります。
山口県の外郎は他の名産地とは異なる味わいとして有名。原材料にわらび粉やでんぷんを使用し、外郎特有のずっしりとした重量感はなく、わらび餅を思わせるようなプルプルとしたなめらかな食感が人気です。
長州苑でも売り上げNo.1を誇る人気商品。控えめで上品な甘さの山口外郎をぜひおみやげにいかがでしょうか。
そして山口土産で喜ばれる「ふぐせんべい」は売上No.2の商品。歯ごたえがありつつも、軽い食感のおせんべいは、フグの骨・皮・身を粉末して練りこんであり、フグの風味がたっぷりです。
辛子マヨネーズで味付けしているのでちょっとピリッとした味わいがお酒の肴にも合うんです。お酒の肴といえば「炙り焼きふぐ」もあるので、こちらもぜひ。
この他、テレビ番組で取り上げられ品薄状態が続いている「夏みかんの丸漬け」、「夏みかんマーマレード」など、人気商品がずらり。観光やお食事のついでにぜひのぞてみてはいかがでしょうか。
Information
長州苑
営業時間:8時30分~17時
※レストラン、カフェ、お土産ショップごとに営業時間が異なります。
住所:山口県山口市木町1-6
問合せ:083-925-5850
※無料観光バス駐車場あり
■取材協力
長州苑
福岡から日帰りで山口市観光を楽しむならこのプラン!
10名以上の団体・グループなら貸切バス利用が便利です。マイクロバス(定員20名前後)から大型バス(43名前後)まで人数に合わせて手配が可能。
ただし、土日祝日や大型連休は混み合うことが多いので、事前に予約できる場合は合わせて旅行会社にお願いしておきましょう。
▼山口市日帰りツアー(モデルコース)
小倉(福岡)発9時(貸切バス利用)=トイレ休憩1回=十朋亭維新館着・見学=「長州苑」ランチ&クラフト体験など=香山公園散策(瑠璃光寺五重塔、瑠璃光寺、枕流亭、露山堂、うぐいす張りの石畳など)=湯田温泉で足湯・散策=トイレ休憩1回=小倉(福岡)着19時着終了
もっとのんびりくつろぎたい!山口市・湯田温泉1泊2日プラン
せっかく山口まで足を延ばすのだから、もっとのんびり過ごしたい。そんな場合はぜひ1泊しましょう。新幹線なら「新山口駅」起点で、飛行機なら宇部空港から貸切バスをチャーターするというのも手です。
1日目は山口市を観光し、美肌の湯として有名な湯田温泉に宿泊。2日目は貸切バスで元乃隅神社へ。日本海の絶景を楽しんだ後に帰京するコースです。
▼山口市・湯田温泉1泊2日おすすめツアー(モデルコース)
1日目)
東京発=新山口駅着=山口市内へ移動(貸切バスなど)=「長州苑」でランチ&買い物=瑠璃光寺五重塔=常栄寺雪舟庭=十朋亭維新館=湯田温泉宿泊
2日目)
旅館チェックアウト=貸切バスで移動=元乃隅神社・龍宮の潮吹・千畳敷=ランチ=青海島クルーズ=秋吉台展望台=新山口駅へ移動=東京着終了
団体・グループ旅行で山口市おすすめ観光プランまとめ
山口市は山口県の県庁所在地。新幹線「新山口駅」から車で約25分でアクセス可能です。萩や下関など、山口で有名な観光地と比べ、知名度はいま一つの印象を受けますが、見どころがいっぱい。
特に幕末の歴史好きの方にはぜひ訪れておきたい重要な場所となっています。
2泊以上かけて萩・津和野、下関などと周遊するのもおすすめ。鉄道ファンに人気のSLやまぐち号にも乗車してみたいものです。
貸切バスなら島根への周遊も楽々。
ご当地グルメやお土産、伝統工芸品の体験など、楽しい思い出をたくさんつくって帰りましょう。
▼山口県団体・グループ旅行関連記事
・山口県の団体・グループ旅行プランもっと詳しく
・湯田温泉(山口県)の団体・グループ旅行プラン
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