古来、修験道を中心とする山岳信仰の場として崇められてきた出羽三山。「羽黒山・月山・湯殿山」の3つを総称してそう呼ばれています。
山形県村山地方・庄内地方にまたがり、江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」として人気を博してきた出羽三山参り。今回、縁あってゆだぽんさんが企画したオリジナルバスツアー「山形・出羽三山を巡る旅」に参加することができました!
これまでなかなか山形へ行くチャンスがなかったので楽しみです。
月山神社・羽黒山五重塔・出羽三山神社・湯殿山神社本宮を参拝し、土門拳記念館や湯殿山総本寺 大日坊で即身仏とご対面など非常に盛りだくさんな内容。
汗と涙、笑いありのツアー全貌と、山形旅行の魅力を全3回に分けてご紹介しましょう。1回目は「月山神社登山&湯野浜温泉編」です。
↓2回目「羽黒山・湯殿山参拝&土門拳記念館編」はこちらになります。
1泊2日オリジナルバスツアー「山形・出羽三山を巡る旅」行程
1日目)
山形駅8時発=月山神社(登山)姥沢口往復ルート9時30分~15時30分=湯野浜温泉「華夕美日本海」17時着・宿泊
2日目)
ホテル発8時20分=土門拳記念館8時50分~9時50分=羽黒山五重塔・出羽三山神社10時50分~12時=休暇村庄内羽黒でランチ12時10分~12時50分=湯殿山総本寺 大日坊(即身仏拝観)13時40分~14時20分=湯殿山神社本宮14時50分~16時=山形駅西口17時20分着・終了
旅行主催:ゆだぽんさん/旅行催行:株式会社山形ツーリスト
出羽三山の豆知識をちょこっと!
出羽三山とは、月山(1,984m)・羽黒山(414m)・湯殿山(1,500m)のことをいいます。「月山=過去」「羽黒山=現在」「湯殿山=未来」に見立てられ、三山を巡ることは死と再生を巡る、すなわち生まれ変わりの旅といわれています。
主峰月山を中心に、北に羽黒山、西南に湯殿山が連なる形は、仏教において神聖な意味を持つ配列形態だとか(山形県ホームページより)。
羽黒山で現世利益を願い、月山で死後の安楽を祈り、湯の湧き出る湯殿山のご神体に裸足であがることで生命の蘇り、再生、即身成仏を約束されたといいます。
月山は7月1日が山開きで、雪のない時期に登るのであれば8月がベスト。登山期間は10月中旬ぐらいまでだそうです。
11月~4月までは登山不可。月山神社への参拝は本格的な山装備が必要なため、注意が必要です。
山形駅西口に集合、貸切バスで月山へと出発します
今回のツアーでお世話になったのは八千代観光さんの貸切バス。地元のバス会社さんということで山形の観光地について熟知していらっしゃいます。
ツアー中もいろいろアドバイスしていただき、心強かったです。
今回のツアーでチャーターしたバスは中型観光バスということで、車内がとっても広々。特に後部座席エリアはサロンバスタイプだったため、足元がゆったりしていました。
山形駅を8時発ということで皆さん前泊されたとのこと。特に待ち合わせしたわけでもないのに、なぜか山形県立博物館で大集合してしまったといいます。
というのも、今回のツアー。私もそうですが古代史つながりで仲良くなった方々が参加しています。歴史作家である関裕二先生もお忍びでプライベート参加。
皆さんのお目当てはもちろん国宝土偶「縄文の女神」!?同じ場所、同じ時間で集合してしまうとは息も波動もぴったりですね。
Information
山形県立博物館
開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)、毎週月曜休館(祝日は翌日休み)、年末年始休み
入館料:300円、学生150円
※20名以上の団体で割引あり
住所:山形県山形市霞城町1番8号(霞城公園内)
アクセス:山形駅西口から霞城公園南門経由で徒歩約10分
月山登山で最短ルート「姥沢口」から山頂を目指します
バスは月山登山最短ルートとなる姥沢口にある駐車場に到着。ここで山岳ガイドさんと合流し、リフトを使って距離を稼ぎます。
山開きは7月1日とはいえ、中旬ぐらいまでは雪渓を渡るのでアイゼンや杖が必要とのこと。突然の濃霧や雨に備える必要があります。
参加者のうち、登山経験があるのは私と同行者、もう1名のみ。出発前にガイドさんからアミノバイタルゼリー(疲労回復)、アイゼンを受け取り、装備や服装などに注意を受けます。
すでに霧が立ち込めているのでレインウェアを着て、リフトに向かって出発です。リフト乗り場周辺には黄色いニッコウキスゲ(ゼンテイカ)がたくさん咲いていました。
時折晴れ間も見えるもののほぼ霧の中、雪渓前でアイゼンを装着
月山は6月ぐらいまで山スキーが楽しめます。7月とはいえまだまだ雪が残っており、スキーをしに訪れている方もいらっしゃるほど。
雪のない時期を狙うなら8月なのですが、夏休みに入ってしまうため、参拝者が増え、駐車場も満杯に。値段もかなり高くなってしまうこともあり、7月中旬を狙って訪れました。
上の写真を見るとまるで雪山探検隊のような私たち。初めての登山、初めてのアイゼン装着という方もいて、全体的にスローペースです。
時折霧が晴れる瞬間もありますが、ほぼガスっている状態。山岳ガイドさんがいらっしゃらなければ迷子になるところです。
実際、翌日単独で登った方は遭難しかかったところを別のパーティーに救われたという話も聞きました。山をなめてはいけません。
リフトの最終運行時間に間に合わない!負傷者が出て途中リタイア
今回選択した最短ルートは、リフトを利用して距離が稼げるものの、後半の昇りがかなりキツイのが難点。リフトの最終運行時間は16時なので、下山する時間も考慮しなければなりません。
必死に先を急ぐもののケガをしたメンバーがいらっしゃったため、参拝を断念。引き返すことになりました。
ツアーから戻ってきた後、実はリフトを降りてすぐに負傷していたらしく、よく頑張って登ったと思います。お大事になさってくださいね。
月山神社本宮に参拝できなくてもお札は授与していただけます
無事リフトで下山できました!
リフト下駅には本宮に参拝できない方のために、お札を授与してくれる場所があります。こちらに参拝し、お札を頂いて帰りました。
月山の山頂からは遠くに日本海、鳥海山、朝日連峰・蔵王連山などの山並みが360度見渡せる大パノラマが広がっているとのこと。また、途中、クロユリやニッコウキスゲ、チングルマなどの高山植物もたくさん咲いていることから、晴れていれば苦しくても感動的な景色が楽しめたはずです。
残念ですがまたチャレンジしたいと思いました。
Information
月山ビジターセンター
開山期間:7月1日~10月中旬頃、姥沢口リフト運転は8時~16時30分
月山環境美化協力金:200円(姥沢口)、羽黒登山口無料(トイレ募金1人1回100円~)
住所:山形県鶴岡市羽黒町・西村山郡西川町・東田川郡庄内町・最上郡大蔵村
アクセス:
・山形自動車道鶴岡ICから鶴岡・羽黒戦~月山高原ライン経由で約28㎞
・路線バスの場合は鶴岡駅から庄内交通バス月山8合目行きで約1時間30分、終点下車
駐車場:月山8合目駐車場
月山の天気確認:月山佛生池小屋からの風景
月山登山ガイド:月山ガイド協会
※登山ガイド1名(25,000円より)につき、6~10名対応
湯野浜温泉で藤沢周平さんの世界観を満喫
無事あの世(月山)から現生に戻ってこれた私たち。再びバスに乗り、こんどは鶴岡市にある湯野浜温泉へ向かいます。
湯野浜温泉は開湯1,000年、海岸沿いにホテルや旅館が立ち並ぶ名湯。お風呂に入りながら日本海に沈む夕日が楽しめるとして、山形県内有数のリゾート地になっています。
今回のツアーでお世話になったのは「華夕美日本海」。メインの温泉街からは少し離れますが、その分静かで松林越しに日本海と夕陽が臨める素晴らしいロケーションのホテルでした。
藤沢周平さんの作品『蝉しぐれ』に登場する「海坂藩(うなざかはん)」の「蓑浦の温泉」はここ、湯野浜温泉ではないかといわれています。
夕食まで少し時間があったので海岸を散策。ここは、映画『蝉しぐれ』の最後の場面で牧助佐衛門が馬腹を蹴って走る砂浜のシーンが撮影された場所です。
私も同行人も藤沢周平さんの大ファン。思いがけず藤沢さんが描いた「海坂藩」の世界観に触れることができてうれしいひと時でした。
「華夕美日本海」で王とその妃、謎の宴(?)が繰り広げられた夜
温泉でさっぱりと汗を流し、お楽しみの夕食です。今回、私たちの団体のみ、宴会場でいただきます。
コロナ禍ということもあり、同じ部屋同士が向かい合ってテーブルを囲み、他のお部屋のテーブルとはかなり距離があります。当然1人部屋の方は・・・。
え、何これ。まるで王と2名の妃を囲んでの夕食会といった風情になっておりました。
旅の話題は必然的に古代史に。関先生に次々と質問が投げかけられます。「いまここで講義させる気?」と先生。
お疲れのところ、嫌な顔もせずにお付き合いいただきありがとうございました!
Information
湯野浜温泉「華夕美日本海」
住所:山形県鶴岡市下川窪畑1-523
アクセス:鶴岡駅からエスモールバスターミナルまで徒歩約10分、湯野浜温泉線に乗り約40分、海水浴場で下車。そこから徒歩約3分
※宿泊の場合は鶴岡駅から無料送迎あり
※貸切バスなら鶴岡ICから約20分で到着します
★団体での宿泊におすすめ!12.5畳の和室がメインで二間続きのお部屋もあります。
月山神社登山&湯野浜温泉編まとめ
月山は初心者でも登れる登山コースがありますが過信は禁物。ほんの一瞬でホワイトアウトが襲います。
その反面、美しい高山植物が咲き乱れ、まさに“極楽浄土”。この世とは思えないほどの美しい姿も見せてくれます。
是非一度は足を運んで、日本人が古来心を寄せてきた自然に対する畏敬の念を体感してみてはいかがでしょうか。夏であっても過信せずに、山岳ガイドさんにサポートしてもらいつつ、見どころを見逃さないようにするのがおすすめです。
湯野浜温泉は塩化物泉で、体を芯から温めてくれる“汐の温泉”。湯野浜海水浴場前に広がる温泉街には、共同浴場が2か所と足湯もあります。
足湯につかりながら美しい夕陽を眺めるのもおすすめですよ。
次回2回目は羽黒山、湯殿山への参拝です。こちらも波瀾万丈!?ワクワクドキドキな旅でした。こうご期待!
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*ゆだぽんさん&山形・出羽三山を巡る旅参加者の皆さま、お写真の提供や撮影協力ありがとうございました!
山形への旅は補助金を使ってさらにお得に!
現在、各都道府県ごとに実施されている県民割。自治体同士で連携して「ブロック割」が適用されているところがほとんどです。
山形の場合は「やまがた夏旅キャンペーン(ワクチン・検査パッケージ適用)」を2022年8月31日まで実施中。今回のツアーでも福島県・宮城県から参加したメンバーは適用(1泊5,000円割引、2,000円分のクーポン付与)されていました。
また、月山にお出かけの場合は対象宿泊施設の料金が3,000円割引になる「月山これよろキャンペーン」が、2022年9月15日(木)まで適用されます。こちらもぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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