
箱根は関東エリアからアクセスしやすく、日帰りでも1泊2日でも楽しめる人気の温泉地。2021年12月に発表された株式会社リクルートの『じゃらんリサーチセンター』が行った温泉地利用に関するアンケート、「全国人気温泉地ランキング」 で16年ぶりに草津温泉に敗れた箱根温泉ですが、それまでは1位を常にキープしてきたわけですから凄い!
今回、箱根町教育委員会 生涯学習課 文化財係が主催している箱根探訪会「鎌倉時代と江戸時代の箱根路をめぐる」に当選しました!前日の夜、仕事を終えてから箱根湯本に前泊。
翌朝、東光庵、元箱根石仏群、お玉ヶ池、箱根旧街道、賽の河原と、史跡をたどるはず、だったのですが雨のため中止に。残念ですが、行ったつもりでこのコースの見どころをご紹介したいと思います。
何度も箱根に行ったことがあるので、いつもとは違った楽しみ方をしたいという方、必見です。
スタートは「芦之湯」から、”箱根七湯”で最も標高が高いところにある歴史ある温泉地
箱根火山のカルデラ湖である芦ノ湖。海抜724mに位置する芦ノ湖よりもさらに上、国道一号線最高地点874mのあたりにあるのが芦之湯です。

鎌倉時代からの湯治場として知られ、江戸時代後期には「箱根七湯」の一つに。箱根湯本、塔ノ沢、宮ノ下、堂ヶ島、底倉、芦之湯、木賀温泉と名所等を廻る「七湯廻り」が人気になりました。
芦之湯には多くの文人墨客が当時に訪れ、創作活動にいそしんだとか。
芦之湯の泉質は箱根温泉では唯一の中性硫黄温泉で、美肌の湯として人気があります。芦之湯にある「松坂屋本店」は1662年(寛文2年)創業の老舗旅館。
「硫黄泉」「硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」の三大美肌泉質をすべて含む効能豊かな泉質となっています。歌川広重の浮世絵「箱根七湯図会」にも描かれ、木戸孝允と西郷隆盛の密談の際にこちらに逗留したとか。
そしてもう一つの宿「きのくにや」は、1715年(正徳5年)の開業。こちらも数多くの文人墨客、著名人から愛され、志賀直哉や滝廉太郎、美空ひばりなどが訪れています。
泉質は「硫黄泉」「重曹泉」の2種類です。
文人墨客が集った「東光庵」は2001年(平成13年)に復元されたもの

芦之湯に湯治で訪れた国学者・賀茂真淵や本居宣長、狂歌師・蜀山人(大田南畝)、国学者・清水浜臣などが、句会や作茶会、碁、将棋などを楽しんだといわれる東光庵。
1871年(明治4年)に火災で焼失。その後、発掘調査や文献資料に基づき2001年(平成13年)に復元されました。
江戸時代から残る十六羅漢像や芭蕉の句碑、蜀山人の碑など石造物も保存修理され、往時の姿が120年ぶりに蘇るとともに、東光庵の隣には熊野神社も再現されています。
Information
東光庵
見学可能時間:10時~16時、年中無休
利用料金:無料
住所:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯
アクセス:箱根湯本駅から箱根登山バス(H路線)「芦之湯」バス停から徒歩約5分
鎌倉時代の石造美術を代表する「元箱根石仏群」

芦之湯から精進池を結ぶ国道1号線の脇を通る遊歩道沿いには、「六道地蔵」「応長地蔵」「二十五菩薩」など多数の石仏があります。中でも「六道地蔵」は国重要文化財であり、磨崖仏の地蔵菩薩坐像としては国内最大級です。
これらの石仏や石塔は鎌倉時代から室町時代にかけて造られたものだそうで、地蔵信仰との深い関わりが見られます。その理由としてこの付近は箱根越えの道として使われた「湯坂道」最大の難所だったこと。
歌人・飛鳥井雅有が通過する時に「この地に地獄がある」と記したといわれ、気象の変化が激しく、険しい地形や荒涼とした風景などから「地獄」とみなされ、恐れられたようです。
お地蔵様は閻魔大王の化身であり、地獄に落ちた人々を救済してくれる存在。そんなところから地蔵信仰の霊地になったのではないかといわれています。
精進池のほとりには「石仏群と歴史館」があり、石仏についての詳しいパネル展示などを行っています。
Information
元箱根石仏群・石仏群と歴史館
歴史見学可能時間:10時~16時、年中無休
利用料金:無料
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根110-228
アクセス:箱根湯本駅から箱根登山バス(箱根町、元箱根行)「六道地蔵」バス停からすぐ
関所破りの伝説が残る「お玉ヶ池」

伊豆国大瀬村(静岡)から江戸に奉公に上がったお玉。実家が恋しくなり、奉公先を抜け出して帰ろうとするものの、手形がなく箱根の関を通ることができませんでした。
このため、周囲の山にあった柵を通り抜けようとしたところを、番人につかまり処刑されてしまいました。その後、首をはねられてさらし首に。池でお玉の首を洗ったという伝説から「お玉ヶ池」と呼ばれるようになったといいます。
また、もう一つの説として、お玉という旅芸人が一座から逃げ出し、関所破りとして追われ、身を投げたという伝説も。秋になると紅葉が美しいスポットです。
Information
お玉ヶ池
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根110
アクセス:箱根湯本駅から箱根登山バス(K路線)「お玉ヶ池」バス停からすぐ
江戸時代に整備された東海道の一部「箱根旧街道」

箱根旧街道は国指定史跡、通称「箱根ハ里」として知られ、急坂が多く東海道第一の難所でした。箱根八里とは、標高約25mの三島宿から標高846mの箱根峠を登り、標高約10mの小田原宿まで下るまでの八里(約32km)の坂道です。
私も以前、甘酒茶屋から元箱根まで箱根旧街道を歩いたことがあります。
足腰がヨワヨワの現代人にとってもここはかなりの難所。足元をしっかりと固めてお出かけください。
Information
箱根旧街道
住所:神奈川県足柄下郡箱根町畑宿 旧東海道
アクセス:箱根湯本駅から旧街道経由元箱根港行きバスで「旧街道石畳」下車
芦ノ湖畔にある「賽の河原(町指定史跡)」

精進池周辺にも数多くの石仏が残されていましたが、芦ノ湖の箱根神社、一の鳥居近くにも石仏や石塔を集めた「賽の河原」があります。明治時代の廃仏毀釈により、多くが失われてしまいましたが、鎌倉時代後期のものを中心にこちらに集めているそうです。
Information
賽の河原(町指定史跡)
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根
アクセス:箱根湯本駅からバス約40分、元箱根港下車すぐ
▼箱根探訪ツアールート(予定)
東芦之湯バス停10時集合=(徒歩約5分・360m)=東光庵=(徒歩約15分・1.1㎞)=旧箱根石仏群=(徒歩約40分・2.4㎞)=お玉ヶ池=(徒歩約5分・400m)==箱根旧街道=(徒歩約1.5㎞・約25分)=元箱根港(遊覧船)13時着終了
※距離と時間はあくまでも目安です。
「地獄」でもあり「極楽」でもあった箱根

東海道第一の難所といわれた箱根の峠越え。旅人にとっては地獄の道行だったことでしょう。
しかし、その厳しい山道を超えた先には、疲れを癒してくれる極上の温泉が湧いていました。地獄で仏に会うとはこのこと。
そんな昔の人々の思いがたくさんの石仏や石塔として残され、地蔵信仰の聖地としていまもその面影を留めています。今回残念ながら、実際に歩くことはできませんでしたが、次回はぜひ、たどってみたいと思います。
東京で仕事を終えて、箱根湯本温泉に前泊!「仙景プラザ」にお世話になりました

箱根湯本駅から徒歩約10分、須雲川沿いにある「仙景プラザ」。箱根では数少ない100畳の大宴会場がある「ホテル仙景」と同じ敷地内にあります。

「仙景プラザ」原則、素泊まりでリーズナブルに宿泊でき、本館と同じ展望露天風呂や大浴場を利用できるのが魅力。22時という遅いチェックインに対応してくれました。

私は朝食付きのお得なプランを予約。朝は同じ敷地内にあるカフェ「花車」で朝食をいただきました。こちらは宿泊客以外でも食事やコーヒーを楽しむことができます。

ちなみにホテル仙景には北大路魯山人ゆかりの宿「山家荘」という離れもあります。かやぶき屋根の趣ある5棟が日本庭園の中に点在し、厳選かけ流しの檜風呂がついています。ご両親の長寿のお祝い旅行にぴったりですね。
Information
仙景プラザ
住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本592
アクセス:箱根湯本駅から徒歩約10分
夕飯は箱根湯本駅からすぐ、居酒屋「鈴鹿」で

宿にチェックインする前、夕食を摂りました。遅い時間だったので居酒屋「鈴鹿」へ。地元で水揚げされたお刺身がおいしいと評判です。すでに20時30分を回っていたので、大急ぎで注文します。

お刺身はどれもぴちぴちでおいしい。お酒が進みます。

牛たたきポン酢はさっぱりと。

唐揚げは揚げたてのアツアツでとってもジューシー。ご馳走様でした。
Information
箱根居酒屋 鈴鹿
住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本703
アクセス:箱根湯本駅から徒歩約1分
あじさいにはまだ早かった箱根登山鉄道

箱根といえば外せない箱根登山電車です。2019年に東日本台風(台風19号)で大きな被害を受けて運休。2020年7月23日に運転が再開され、箱根に活気を取り戻すことができました。
朝から雨が降っていたので、箱根湯本から強羅まで、箱根登山電車を楽しむことに。さすがにあじさいはまだ色づいていませんでしたが、目に鮮やかなグリーンの景色や幻想的な靄に包まれる山をゴトゴト旅するのは情緒たっぷりです。
あじさいが見ごろを迎えるのは6月中旬ぐらいから。ちなみに箱根湯本駅付近ではちょっぴり色づくあじさいをみることができました。

箱根登山電車の両脇にぎっしりと咲き誇るあじさい、きっとキレイでしょうね。

箱根登山電車といえば高低差を登るための工夫として有名なのが“スイッチバック”です。箱根湯本から強羅までの間、計3回のスイッチバックを体験することができます。
かつては徒歩で超えた箱根の山も、いまはいろいろな乗り物で簡単に超えることができる。先人の「地獄」「極楽」を思わずにはいられない旅でした。
皆さんもこれから見ごろを迎えるあじさいを、ぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか。夜間のライトアップもぜひ、楽しんでくださいね。
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