「仙巌園(せんがんえん)」は、鹿児島県を代表する大名庭園で、島津家19代光久によって築かれた別邸です。
桜島を目の前に望む庭園には、曲水の庭や江南竹林などの自然を活かした雄大な絶景が広がります。その美しさは、中国江西省の景勝地・龍虎山仙巌に景観が似ているため「仙巌園(せんがんえん)」という名がついたほど。
庭園の他にも、お殿様が暮らした御殿やレストラン、土産物の施設が併設されています。
また、隣接地には島津家に関する史料を展示する博物館「尚古( しょうこ)集成館」や、薩摩切子の製造を見学出来る工場があるので、薩摩の歴史や文化も堪能出来ますよ。
仙巌園(せんがんえん)ってどんな所?
島津家は島津忠久から始まり、鎌倉時代から江戸時代までの長きに渡って南九州一帯を治めた大名家です。
大河ドラマ「西郷どん」で取り上げられた島津家28代斉彬(なりあきら)については、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。実際に仙巌園もドラマのロケ地に使われました。
斉彬は、幕末時代の外国列強の進出に対抗するため、大砲等の武器の製造や蒸気機関、電信、写真等の技術開発、ガラスや陶器、紡績、薬品等の産業開発を行ったことで知られています。この時に作られた大砲等の跡は、今でも庭園内に残されています。
仙巌園を作ったのは、斉彬よりも時代を遡った江戸時代。島津家19代光久です。1658年の光久の造園後も歴代藩主たちによって改築が行われ、現在のような歴史と文化が蓄積された豪華な庭園が生まれました。
庭園には中国風のあずまやや竹林等、随所に中国文化の影響が見られ、貿易を通じて外国との交流があった薩摩の歴史が感じられます。
仙巌園のオススメスポット
一般的な大名庭園とは異なり、仙巌園には池や築山がありません。
これは、目の前にある錦江湾と桜島を池と築山に見立てたためだと言われています。海を池に島を築山に見立てるなんて、スゴイスケール感ですよね。
敷地面積も約1万5千坪と広大です。南国の植物や中国からの影響を感じさせる装飾物等からは、海外との貿易による文化の流入や、新しいことに挑戦する薩摩気質を感じます。
また美しい庭園はもちろんですが、仙巌園は文化や歴史の点でも重要なスポットです。日本の近代化のきっかけともなった時代の流れを、ぜひ壮大な景色と共に楽しんでください。
11mの巨大岩「千尋巌(せんじんがん)」
文字が刻まれた全長約11mの強大な岩「千尋巌」。岩に刻まれた文字は「千尋巌」の3文字で、「とても大きな岩」とうような意味があるそうです。
この千尋巌は、島津家27代齊興が、約3,900人もの人を使い、約3ヶ月の期間をかけて作りました。
「何でそんなことを?」と疑問に感じるかと思いますが、これには薩摩藩士たちの雇用確保の目的があったそうです。
世界遺産に登録された「反射炉跡」
外国列強への対抗手段として、大砲や船が作られた斉彬の時代。
反射炉は、大砲を製造するための鉄を溶かす炉として開発されました。反射炉内部で熱を反射することで高温にし、鉄を溶かしたのです。
石造りの反射炉が鉄を溶かし、大きな大砲の製造に繋がったのかと考えると驚きます。当時は誰も反射炉跡を見たことがなかったので、オランダの書物を参考に建設したそうですよ。
こうした外国列強へ対抗するための大砲や武器等の製造、及び電信、写真などの技術開発等を「集成館事業」と言い、隣接する「尚古集成館」では、その事業の一端を知ることが出来ます。
なお、この反射炉跡を含む尚集成館は「明治日本の産業革命遺産」として、2015年に世界遺産に登録されました。
細部まで楽しめる「御殿」
この御殿は、歴代の島津家当主たちの別邸として利用され、薩摩藩最後の藩主となった島津忠義の住まいとしても使われました。また、国内外の要人をもてなす迎賓館としての役割もあったようです。
金箔ばりの居間や、庭園が見渡せる作り等、美しく豪華なたたずまいが特徴です。
「釘隠し」と呼ばれる、柱に打った釘の頭を隠すための化粧金具など、細かい部分にも粋な施しがなされています。隅々なで見渡して、様々な発見を楽しんでください。
薩摩藩の取り組みがわかる「尚古 ( しょうこ) 集成館」
外国列強の植民地化を恐れていた薩摩藩は、強い国を作るために、製鉄、船等の製造や、紡績、ガラス、写真、電信、ガス灯等の開発、研究を行いました。
尚古集成館の建物は、この事業の際薩摩藩が建設した「旧集成館機械工場」が利用さています。当時工場で使われていた機械類や薩摩や島津家の歴史を解説するパネル等で、薩摩藩が行なった取り組みに触れられます。
島津斉彬を中心として行われた、こうした集成館事業は、日本の近代化を大きく進めるきっかけとなりました。
職人の技が間近で見られる「薩摩切子工場」
クリスタルガラスにカットを施し、ガラスの透明性とぼかしを巧みに使った作品の数々。この工場では、薩摩切子の製造工程を間近で見学することが出来ます。
溶けたガラスを器状にする「吹き場」、模様を刻んでいく「カット場」、最後の仕上げを行う「磨き」の3工程が、エリアごとに分けられ紹介されています。
こうした工程は全て手作業で行われ、職人たちの凄技がすぐ目の前で展開されます。
工場見学時間:9時〜17時
定休日:月曜日、第3日曜日
本格仕様の「甲冑着装体験&撮影会」
多数の志士を輩出した島津家は、戦国時代きっての名門と称えられ、日本の歴史にも大きな影響を与えました。中でもその勇姿を示した関ヶ原の戦いでは、敵陣への正面突破を仕掛けることで、戦場からの退却を敢行したと言います。
仙巌園で体験、装着出来る甲冑は、この関ヶ原の戦いで活躍した島津義弘と島津豊久の甲冑です。女性や子供も装着出来ますから、ぜひ桜島の壮大な景色をバックにして、勇ましい1枚を残してください。
料金:島津義弘鎧写8,000円/島津豊久鎧写8,000円/子ども用島津義弘鎧写4,000円/子ども用真田幸村鎧写4,000円
※着装/撮影料込み
問い合わせ先:099-247-1551
基本情報
■仙巌園
住所:鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
問い合わせ先:099-247-1551
入場料:大人1,000円 子供500円(庭園・尚古集成館)
営業時間:9時〜17時
仙巌園周辺のおすすめ観光スポット
鹿児島県には、数多くの島津家に関わるスポットがあります。そんな数あるスポットから、編集部がおすすめするスポットをご紹介します。
幕末期の洋風建築の歴史跡「異人館」
島津家29代忠義は、外国列強に、軍事力だけでなく産業でも対抗したいと考えました。そこでどうしたかというと、日本で初めての洋式紡績工場を作ったんです。
その時に招いたイギリス人の技師たちが、宿泊場所として使っていたのが、ここ「異人館」になります。
洋風なおもむきながら、どことなく和の雰囲気も感じられる建物。幕末期の洋風化建築へと進む過程が見られる貴重な遺産として、国の重要文化財、敷地は国の史跡に指定されています。
現在は、館内で当時のイギリス人技師たちが暮らした様子が見られますよ。
鹿児島グルメ&お土産ならココ!「天文館」
天文館という名前から、星に特化した観測所や科学館を想像してしまいますが、鹿児島にある「天文館」は、グルメやショッピングを楽しめる人気のアーケード街なんです。
鹿児島県の地元料理やスイーツが食べられ、名産品やお土産等のお店も充実しています。
「天文館」という名前は、島津家25代重豪が建てた天文観測や暦の研究を行う「明時館」を別名「天文館」と呼んでいたことに由来しているそうです。
天文館には、鹿児島名物のかき氷「しろくま」や、柔らかく旨味たっぷりの「黒豚」、コクがあるトンコツベースの「鹿児島ラーメン」等、人気の飲食店が軒を連ねています。
まさに、食べ歩きにぴったり!旅行の締めにもってこいのスポットです。
基本情報
■異人館
住所:鹿児島県鹿児島市吉野町9685-15
問い合わせ先:099-247-3401
営業時間:8時30分~〜17時30分
入園料:大人200円 小中学生100円
■天文館
住所:鹿児島県 鹿児島市東千石町
仙巌園までのアクセス(行き方)は?
仙巌園までは、車やバスで行くのが便利です。大型の駐車場があるため、車を止めるのも安心です。
もし団体旅行をお考えなら、貸切バスを利用するのはいかがでしょうか?ランチにお酒を飲んだって、お土産を買いすぎたって、貸切バスならへっちゃらです。
また、仙巌園はアクセスが良い立地にあるため、周辺の観光スポットを巡る際も、融通が効く貸切バスなら効率的にまわれることが出来ます。
下記に、仙巌園までのアクセス方法を簡単にまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
<貸切バス>
鹿児島空港から約40分
鹿児島中央駅から約20分(姶良IC~国道10号線経由)
<路線バス>
鹿児島中央駅からカゴシマシティビューまち巡りバスで「仙巌園前」バス停下車すぐ
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