出島

小学校の社会科の授業で習った「出島」。約200年続いた鎖国時代に、日本で唯一西洋との貿易を行っていた場所です。

国指定史跡にもなっており、1951年からは、長崎市が出島の復元に乗り出しました。復元事業は今も続けられており、時代をまたぐ歴史の遺構を見ることが出来ます

およそ15,000平方メートルもの小さな空間に立ち並ぶ歴史的街並みみに、まるでタイムトリップした錯覚に囚われます。

団体旅行でも大人気のスポット「出島」について、さっそくご紹介していきましょう。

出島ってどんな所?

出島とはどんな場所か

ポルトガルとの貿易により、発展を遂げた長崎。しかし、同時に外国から宣教師が訪れるようになり、キリスト教が広がりました。

キリスト教の存在を危ぶんだ当時の幕府は、街に住む外国人を1ヶ所に収容することを思いつきます。そこで1936年、海に浮かぶ扇型の人工島として誕生したのが「出島」です

その広さ15,000平方メートルという大変小さな出島。東京ドームの半分よりも小さいサイズなんですよ。

翌1937年になると、島原と天草でキリシタン農民による一揆が起こります。この一揆により、幕府とポルトガルとの関係が悪化。

1639年にはポルトガル人の渡航が禁止になってしまいます。つまり、出島は一時無人島となってしまったんです。

©長崎県観光連盟
オランダ商館跡

その後、1647年から宗教を持ち込まないという約束のもとオランダとの貿易が開始され、1859年開国まで出島は西洋に開かれた、ただ1つの窓口としての役割を果たします

日本が開国し、横浜や函館でも海外との貿易が始まると、それまで独占状態だった出島の地位は徐々に陰りを見せ始めます。

オランダ人の長崎市外への出入りも認められ、長崎を近代的な貿易都市に改良するための出島周辺の埋め立てなども行われました。

復元されつつある出島

歴史から消え去ったかに見えた出島でしたが、その歴史的な価値が見直され、1951年から長崎市が出島の整備計画に着手します。

建物の復元や街並みや家具などの整備等、その復元作業は現在も続いているんです。

現在、多くの建物が復元され、展示設備なども整備されています。レストランやお土産ショップもオープンしていますよ。

出島のオススメスポット

出島おすすめスポット紹介

現在、大きく5つの時代に分けられた建物などを見学することが出来ます

入場ゲートは2つあり、水門、西側ゲートは、鎖国期〜明治に時代を進むコースに、東側ゲートは、明治〜鎖国期と時代を遡るコースになっています。

鎖国期に唯一開かれた窓として活躍した数々の歴史的産物が、出島の中には詰まっています。ここ「出島」だけで展開された歴史の数々を、肌身を通じて感じてください。

当時の住居はこんなだった!「一番船船頭部屋」

出島 一番船船頭部屋

オランダ船の船長や商館員の住居として使用された建物です。2階建の建物は、1階が倉庫、2階が移住空間として使用されていました。

1階の倉庫には、砂糖や木炭と、それらを計量する秤が再現されています。

一方2階には、当時使用した部屋が再現され椅子やベットなどを展示。目を凝らすと、鳥籠や屏風、食器なども再現されていて和洋折衷な室内で様々な発見が楽しめます。

貿易の歴史を学ぶ「二番蔵」

出島 二番蔵

オランダからの輸入品である蘇木(染料)が収められていた蔵です。この二番蔵の他にも砂糖を収めていた一番蔵、砂糖他様々なものを収めていた三番蔵が既に復元されています。

二番蔵の1階では「貿易と文化の交流」をテーマに、当時取引された様々な貿易品を紹介しています。

どんな食事をしていたの? 「料理部屋」

出島の料理部屋

オランダの商館員たちに出されていた料理を作っていた部屋です。通訳などは、ここで出される西洋の料理が珍しくて、お土産に持って帰っていたそうです。

現在ここでは、クリスマス用の調理風景が再現されています。日本の桶と共にフライパンなども使われていたようで、不思議なコントラストを醸し出しています。

当時の料理を想像しながら見ると、面白いですよ。

お洒落な部屋にご注目「カピタン部屋」

出島 カピタン部屋

オランダ商館長(カタピン)が住んでいた部屋です。出島で最も大きな建物で、住居の他、事務所や接待をする場としても使われていたようです。

倉庫として使われていた1階には、出島の模型や当時の交易品、生活の様子が再現されており、当時の歴史を学ぶことが出来ます。

2階には、クリスマスの祝賀の様子を再現した部屋が設けられ、クリスマスの際に食べられていた料理などが並んでいます。

日本側の事務員「乙名(おとな)部屋」

出島 表門

出島で日本側の貿易事務などを担当していた人を乙名(おとな)と呼んでいました。その乙名が、出島で拠点としていた建物です。

建物では、オランダ商館員たちの生活を支える乙名の仕事を分かりやすく紹介しています。

日本最古のキルスト教神学校「旧出島神学校」

出島 旧出島神学校

現存する日本最古のキリスト教(プロテスタント)の神学校と言われています。1878年に建てられ、始めは英学校として使われていました。

1階は売店や休憩所、2階は会議室と図書館として、現在使うことが出来ます。

ランチにオススメ「旧長崎内外クラブ」

出島 旧長崎内外クラブ

長崎に住む外国人と日本人の交流の場として活躍しました。ここには現在1階にレストラン、2階に当時様子を物語る展示施設が設けられています。

出島内外倶楽部レストラン

1階のレストランでは、当時のオランダ人が食べていた長崎の食文化でもあるジビエを再現した料理や、「パスティ」(長崎産イノシシと豚肉のパイ)、ポルトガル伝来のスープ「ヒカド」などの料理も食べられます。

ぜひ、味覚の方でも当時の歴史を味わってみてください。

基本情報

出島
住所:長崎県長崎市出島町6-1
問い合わせ先:095-821-7200
営業時間:8時~21時
料金:一般520円、高校生200円、小中学生100円

出島内外倶楽部(レストラン)
問い合わせ先:090-4481-8522
営業時間:10時30分〜15時
定休日:無休

出島観光と一緒に楽しみたい、周辺観光スポット

出島周辺観光案内

海に面した出島の周辺は景色もきれいで、ブラブラと散策しても気持ちが良いです。

歩いて行ける場所に複合施設や美術館があるので、海風にあたりながらちょっとブラブラと歩くのも良いかもしれませんね。

出島周辺のオススメスポットをご紹介します。

充実グルメに大満足「長崎出島ワーフ」

出島 長崎出島ワーフ

出島から5分ほど。長崎港周辺のベイアリアに作られた複合商業施設です。アウトドアショップやなども魅力的ですが、オススメしたいのがレストラン。

和・洋・中華料理やイタリアンの他、地元の新鮮な海鮮物を食べられるお店もあります。

長崎出島ワーフの向こう側には、長崎湾越しに稲佐山が見えます!海を望む美しい眺めと共に、美味しいご飯が楽しめますよ。

心地よい空間が魅力「長崎県美術館」

長崎県美術館

「呼吸する美術館」をコンセプトに2005年に開館した美術館です。

「呼吸する美術館って何?」と思われるかもしれません。そこには「生き物が呼吸をするように、美術館の外にあるさまざまな情報や刺激を吸い込み、それを新しい形の刺激として再び外に放出しながら周囲の人や環境とともに成長を続けてゆきたい」という願いが込められているそうです。

ガラス張りの建物には外からの陽光が降り注ぎ、呼吸するような風通しの良さを感じます。

収蔵品の中心となるのは、長崎ゆかりの作品と「須磨コレクション」を主とするスペインの美術作品の数々。外交官だった須磨弥吉郎が寄贈した「須磨コレクション」は、ピカソやダリなどの作品を含む充実の内容です。

美術館に併設されるカフェは、フランス料理界の巨匠、上柿元勝氏がプロデュースしたことで話題になりました。

窓際の席に座れば、運河を見渡すことが出来ます。夜はイルミネーションなども楽しめるそうですよ。

基本情報

■長崎出島ワーフ
住所:長崎県長崎市出島町1-1
問い合わせ先:095-828-3939

■長崎県美術館
住所:長崎県長崎市出島町2番1号
問い合わせ先:095-833-2110
開館時間:10時〜20時
休館日:毎月第2・第4月曜日(
料金:<コレクション展>一般400円、大学生300円、小中高生200円、シニア(70歳以上)200円

出島までのアクセス(行き方)は?

出島 アクセス

下のアクセス詳細を見てもらうと分かりますが、出島はアクセスも良好です。
長崎駅から少し時間はかかりますが、歩いて行くことも出来ます。

午前中からランチは出島で観光、その後ちょっと離れた別のスポットへ・・・なんてお考えの団体旅行の幹事さんには、貸切バスの利用がオススメ。

ちょっと歩き疲れたみなさんを、ゆったり次の観光地までお送りします。グラバー園や島原、足を伸ばして佐世保など、長崎には観光スポットが点在しています。

ぜひ、旅の移動手段の1つとして検討してみてください。

<貸切バス利用>
JR「長崎駅」から長崎自動車道長崎IC・ながさき出島道路からすぐ(約5分)
最寄りの観光バス駐車場: 県営常盤駐車場(南)
観光バス27台駐車可能、30分につき600円(夜間は300円)・上限は2,400円

<公共交通機関>
「長崎駅」から路面電車で「出島駅」下車(約5分)

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