銀座三越にある「アートアクアリウム美術館」

秋の東京へ日帰り旅行を楽しむならどこに行きますか?今回は2024年9月27日(金)から「アートアクアリウム美術館 GINZA」でスタートした秋の企画展「金魚泳ぐ幻想秋夜」におじゃましてきました。

「アートアクアリウム美術館 GINZA」は様々な種類の金魚が優美に泳ぐ水槽作品を光・音・香りで演出したアート作品が楽しめるスポット。2022年5月に日本橋から銀座三越内へ移転開業し、2024年4月16日には来館者数が100万人を超えるなど、注目を集めています。

秋の企画展では赤・黄のライティングをベースに、彼岸花や無数のランタン、月明かりなどまさに“エモい”空間演出。忙しい日常を忘れ、すっかり癒されました。見どころをダイジェストでご紹介していきましょう。

「アートアクアリウム美術館 GINZA」秋の企画展「金魚泳ぐ幻想秋夜」

「アートアクアリウム美術館」秋の企画展「金魚泳ぐ幻想秋夜」
(画像提供:アートアクアリウム美術館 GINZA)

「アートアクアリウム美術館 GINZA」は「生命の宿る美術館」をコンセプトに掲げ、2020年8月28日(金)に東京日本橋にオープン。その後、2022年5月3日(火・祝)に銀座三越新館8階にお引越しをし、これまで以上に華やかな空間として生まれ変わり、進化しています。

アートアクアリウム美術館は銀座三越新館8階に

アート、デザイン、エンターテインメントとアクアリウムを融合させ、「アートアクアリウム」という唯一無二のアート分野を確立させた新しい展覧会を季節ごとに開催。金魚に特化し日本の伝統美が光る幻想的な和の世界観は国内外から高い評価を受けています。

9月27日(金)から始まった秋の企画展「金魚泳ぐ幻想秋夜」をさっそくご紹介しましょう。

銀座万燈籠(まんどうろう)

銀座万燈籠

美術館の入口を入るとまず出迎えてくれるのが銀座万燈籠。奈良・春日大社の万灯籠をイメージさせる幽玄な雰囲気を漂わせています。

春日大社の万燈籠は2月の節分と8月の14日・15日の夜のみ、約3,000基の万燈籠に火をともし、諸願成就が祈念される「中元万燈籠」が有名ですね。

幾重にも連なる吊り灯籠は美術館独自に蒐集した歴史あるものなのだそう。両脇にはススキが飾られ、秋の気配を感じさせます。

金魚の回廊

金魚の回廊

万燈籠の下を進むと金魚の列柱が出迎えてくれます。まるで神社建築に見られる回廊のように、金魚たちが優美に舞い踊る水槽がどこまでも続いていくかのようです。

金魚の水槽の上には黄色に色づいたイチョウの葉が飾られ、秋らしい演出。水槽の色が変化するたびに回廊の雰囲気がガラリと変わり、金魚の見え方も変わるので見ごたえがあります。

金魚蒐集(しゅうしゅう)

丸い水槽がぽっかりと浮かび上がる演出

普段、なかなか目にすることがない珍しい品種を中心に、種類ごとにアートギャラリーのような展示を行っている「金魚蒐集」。ちょうど「金魚の回廊」奥に丸い水槽がぽっかりと浮かび上がるような演出が施されていました。

1枚の絵のようでもあり、金魚の動きとともに刻々と変化する動的な表現がとても新鮮です。BGMや水音などと相まって没入感が高まりました。

九谷金魚品評

九谷金魚品評

日本の伝統工芸である九谷焼で制作された金魚品評。「金魚品評」とは丹精込めて育てた金魚を出品し、金魚界のNo.1を決める大会です。

九谷焼は360年の歴史を誇る石川県の伝統工芸品。日本を代表する色絵陶磁器で、五彩(緑・黄・紫・紺青・赤)を中心とした優美で華やかな色彩がいつの時代も私たちの心を捉えて離しません。

アートアクアリムの家紋が描かれた陶器の中を優雅に泳ぐ金魚もまた、動く絵付のようで素敵でした。

金魚の滝・金魚の石灯籠

金魚の滝
金魚の滝

続いてご紹介するのが「金魚の滝」と「金魚の石灯籠」です。波うちながら重層的に連なる水の壁を、静かに水が流れ落ちる演出。

「金魚の石灯篭」は御影石を使った灯籠の火袋部分に水槽をはめ込み、その中を金魚が優美に泳ぐ仕掛けです。

真っ赤な彼岸花のあでやかさが幻想的

その周りを取り囲むように飾られた彼岸花がどこかこの世のものではないような妖しい雰囲気を醸し出してしました。

障子リウム

障子リウム

室内から庭園の季節の移り変わりを楽しめる雪見障子をモチーフにした作品。京都大徳寺、塔頭弧篷庵の茶室「忘筌席」にある、下吹き抜け障子に着想を得て仕立てたそうです。

新金魚品評

新金魚品評

背の低い四角い水槽がずらりと並ぶ「新金魚品評」。側面の装飾には着物の帯を使用し、なんともあでやかな演出です。

水面まで顔をのぞかせた金魚を上から眺めて鑑賞できます。どこか愛くるしい金魚の表情に吸い込まれてしまいました。

手毬リウム

手毬リウム

日本の伝統的な遊具である手毬。丸めた綿を芯にして色糸で巻いて作った日本の伝統工芸品です。

手毬そのものは約1200年の歴史を持ち、女の子の誕生や成長の節目、お雛様飾り、新築のお祝いなどに合わせて送られてきました。全国でさまざまなデザインのものが作られ、装飾品として愛でられています。

そんな手毬をモチーフにした水槽の中をゆったりと泳ぐ金魚たちを展示している「手毬リウム」。十八の手毬が躍るように壁一面を飾る空間を演出しています。

お面蒐集

神代から歴史に登場するお面は、祭祀をはじめ様々な目的で使われてきました。能の世界ではお面をつけることで、霊や精霊、動物等の神格が宿るとも。

伝統工芸品として世界でも蒐集対象となっているお面。「アートアクアリウム美術館 GINZA」では時間をかけて独自に蒐集した歴史あるお面の数々を飾っています。

花魁帯舞(OBIMAI)

花魁帯舞

“花魁”と名付けた巨大金魚鉢をもとに、躍動的に舞う帯をイメージした作品。背後には提灯の明かりが灯り、和の趣を表現する幻想空間作品となっています。

提灯リウム

提灯リウム

日本の「祭り灯籠」をモチーフにした作品。球体の金魚鉢は、拡大レンズの働きもしており、中を泳ぐ金魚を大きく見せます。

拡大レンズの役割を果たす水槽

祭りの参道を思わせる提灯は、この世とあの世の境目のようでどこか異世界へと通じているような雰囲気でした。

金魚の竹林

金魚の竹林

ひときわ人だかりがしていたのがこの「金魚の竹林」。竹に見立てた水槽がずらりと並び、金魚たちが乱舞する姿は迫力があります。

中央には月のようなライトが浮かびあがり「竹取物語」のような演出です。冷たい白い光から温かみのあるオレンジ、そして静寂なブルーへと変化するライティングも美しかったです。

猪目(いのめ)リウム

猪目リウム

日本古来から使われている図柄の一つ「猪目」。ハート型の文様は猪の目の形に似ていることからそう呼ばれているとか。

猪の目には魔除けや厄除けの力があるといわれ、また火伏の神様のお使いであり、福を招くともいわれています。古くから神社仏閣の建築装飾として随所に使われてきました。

その猪目をモチーフとした窓が水槽となり、その窓から外に広がる景色のなかを金魚たちが優雅に泳ぎます。

天空リウム

天空リウム

天空に咲き誇る空想の花々を表現し、花咲く水槽が連なる幻想世界を表現した作品。たくさんの花々が重なり合う中を金魚たちがゆったりと泳ぐダイナミックな展示となっています。

花魁花舞(HANAMAI)

花魁花舞

“花魁”水槽がずらりと並ぶ空間を、多彩な花々で埋め尽くすように飾った目にもあでやかな空間。天井から吊り下がる花が圧巻です。

新行燈リウム

新行燈リウム

日本の伝統的な照明器具である行燈をモチーフにした作品。魔除けの意味合いを持つ麻の葉模様をあしらった火袋の中を泳ぐ金魚たちは、まるで揺らめく炎のようです。

この他、グローバルに活躍するトップクリエーターのアートアクアリウムをモチーフにした作品を展示。また、金魚と鯉が描かれている歌川国芳コレクションも楽しむことができますよ。

「アートアクアリウム美術館 GINZA」でお土産探しも楽しい

アートアクアリウム美術館のショップ

「アートアクアリウム美術館 GINZA」を訪れた記念にお土産をいかがでしょうか。日本を代表する老舗店「鶴屋吉信」「上野風月堂」「銀座 菊廼舎」などとのコラボ商品もあります。

オリジナルTシャツや金魚モチーフアクセサリー、ペーパークラフトなどここだけのオリジナル金魚グッズなどがずらり。自分へのお土産はもちろん、社員旅行のお土産にもきっと喜ばれますよ。

秋の企画展は11月27日(水)まで

日本の伝統美や江戸時代から続く金魚鑑賞の文化を融合した、極上の癒し空間が広がる「アートアクアリウム美術館 GINZA」。五感全てに働きかけるような展示なので、実際に訪れてみないとその魅力をダイレクトに感じられないかもしれません。

ゆったりと館内を巡っていくと次第に疲れやストレスが無くなって、とてもリラックスできました。銀座へお買い物のついでにでもいいですし、東京への日帰り旅行の立ち寄り先にぜひいかがでしょうか。

秋の企画展は2024年11月27日(水)までの期間限定です。四季折々の展示やタイアップ企画なども随時開催されますので、お出かけの際は公式ホームページやInstagramをチェックですよ。

■取材協力

株式会社Amuseum Parks

Information

アートアクアリウム美術館 GINZA
営業時間:10時~19時、休館日は銀座三越に準ずる
※メンテナンス等で不定期に休館する場合があります。
入館料:中学生以上2,700円(Web限定入場券なら2,500円)、小学生以下は大人1名に付き2名まで無料
※21名以上の団体は割引あり、要予約
館内貸切もOK。企業の発表会やイベント、撮影ロケなどで利用可能。
住所:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越新館8階(入口は9階)
問合せ先:03-3528-6721

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